【ライトノベル紹介】才女のお世話

画像出典:才女のお世話| Books

書誌情報

タイトル才女のお世話
高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました
出版社/レーベルホビージャパン/HJ文庫
著者坂石遊作
イラストみわべさくら
ISBN9784798624914

紹介

完璧お嬢様の裏の顔は――――

 本作は、各界の令嬢や子息が通う名門校で最も存在感を放つ才女『此花雛子(このはなひなこ)』の身の回りのお世話係を、とあるきっかけから務めることになった、ごく普通の一般人である少年のお話です。

 学園では高嶺の華として周囲から尊敬の眼差しを向けられる此花さんなのですが、実は学園で見せる姿は完璧を演じる仮の姿であり、普段の彼女はというと、ろくに一人で着替えもできないくらいのダメ人間だということが、本作を語る上でのキーとなります。

 そんな二面性を持つ彼女と、とある出来事で関わりを持つことになった普通の一般人である主人公『友成伊月(ともなりいつき)』は、彼女の裏の顔が露見しないよう、彼女の父親からの依頼で身支度から学園内でのサポートまで、ありとあらゆる身の回りのお世話を住み込みでする『お世話係』として雇われることになるというのが、本作のストーリーです。

笑いありシリアスあり、とても優等生な作品

 まずは、もちろん当然といえば当然にはなりますが、メインヒロインである雛子ちゃんをはじめとした、ヒロインそれぞれに独自の愛らしさや魅力が強く感じられる作品だと思いました。
 雛子ちゃんの一人じゃ何もできないというぐうたらっぷりは、読者である私たちの庇護欲をとてもかり立たせるほどに可愛く、各ヒロインにも、それぞれ違った価値観や信念があり、決して甘々なラブコメだけじゃ終わらない面白さが根底としてありました。

 また、主人公の伊月くんもいいキャラに仕上がっていると思いました。
 ごく普通の一般人だった伊月くんは、当然一流階級の人たちとかかわりを持つ機会などはなく、雛子ちゃんのお世話係を務めるためには、当然それ相応の立ち振る舞いが求められます。
 そのため、護身術の稽古やマナー講習などを通して、たくさんの失敗を繰り返しながら成長していくのですが、何も分からない状態から素直に実直に取り組む姿勢は目を見張るものがありまして、主人公としての好感度は個人的にかなり高かったです。

 ストーリーとしては、甘々な展開だけでないことも特徴で、思わずクスッと笑ってしまうような展開や、雛子ちゃんの真相を絡めたシリアスなシーンもあり、読者を飽きさせない緩急のついたストーリー展開も魅力的だと思いました。

まとめ

 ラブコメの面白さを隙間なく押さえた、とても読みやすい優等生な作品だと思いました。
 
 ですが、これといった特徴的な面白さがあるかというとそうではなく、あと一つこの作品にしかない魅力というのが欲しいと思わせるような、個人的に少し惜しく感じる作品でもありました。

 一般人が一流階級のなかでラブコメを繰り広げるという、中々一筋縄にはいかなそうな題材の作品とはなりますが、主人公の成長や雛子ちゃんとの関係性も含め、学園に通う他のヒロインとの関係性も深堀されてくるかと思いますので、今後の展開が非常に楽しみな作品です。

個人的作品評価

個人的作品評価

【ストーリー】★★★☆☆(3/5)
【キャラクター】★★★★☆(4/5)
【独創性】★★★☆☆(3/5)
【読みやすさ】★★★★★(5/5)

総合評価

★★★☆☆(3/5)
しあん
しあん

オンオフのギャップが激しすぎる雛子ちゃんの愛らしさや無防備さに、思わず心奪われてしまう作品でした。
ラブコメ好きの方にはぜひ読んでもらいたい作品です!

 

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【電子版限定特典付き】才女のお世話1 高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました
男子高校生・友成伊月は、誘拐に巻き込まれたことが切っ掛けで、日本随一の財閥のお嬢様・此花雛子のお世話係をすることに。 表向きは才色兼備な雛子だが、その正体は生活能力皆無のぐうたら娘だった。 しかし、家の都合で、学校では「完璧なお嬢様」を演じ...

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